2 自動車損害賠償保障制度 自動車損害賠償保障法は,自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより,被害者の保護を図ることなどを目的としている。自動車損害賠償保障制度の中核となっているのは,自動車損害賠償責任保険及び自動車損害賠償責任共済(以下「自賠責保険等」という。)である。 さらに,自賠責保険等を補完するものとして,政府が行っている自動車損害賠償保障事業がある。これは,いわゆるひき逃げや無保険車による事故の場合,自賠責保険等では被害者が救済を受けられないため,政府が被害者に対して損害額をてん補するものであり,そのてん補の額は,自賠責保険等に準じている。 平成15年度(会計年度)の保障事業による保障金は,ひき逃げについて3,546人,無保険について726人に支払われた。支払額は,死者1人当たり平均約2,080万円,負傷者1人当たり平均約61万円であった(国土交通省自動車交通局の資料による。)。
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