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 平成17年版 犯罪白書 第2編/第3章/第3節/5 

5 執行猶予等

(1) 執行猶予

 最近10年間の裁判確定人員について執行猶予率を見ると,懲役に対する執行猶予率は60%台前半で,禁錮に対する執行猶予率はおおむね90%台前半で,それぞれ推移しており(2-3-2-1表参照),大きな変動はない。
 執行猶予には,初度の執行猶予と再度の執行猶予がある。初度の場合には裁判所の裁量により保護観察に付されることがあり,再度の場合には必ず保護観察に付される。平成16年における執行猶予確定人員は,5万6,859人であり,このうち,5万6,460人が初度の執行猶予,399人が再度の執行猶予であった。また,初度の執行猶予人員のうち,裁判所の裁量によって保護観察に付された人員は,4,848人であった(検察統計年報による。)。

(2) 執行猶予の取消し

 取消事由別の執行猶予取消人員(最近5年間)は,2-3-3-4表のとおりである。
 平成16年における執行猶予取消人員は,7,431人(前年比1.8%増)であり,取消事由は,再犯により禁錮以上の刑に処せられたことによるものが6,974人で,圧倒的多数を占めている。
 ある年における執行猶予言渡人員と,その年における執行猶予取消人員とでは,その対象が異なるので,厳密な意味での執行猶予取消率を算出することはできないが,前者に対する後者の比率を知ることにより,その年における執行猶予取消しのおおよその傾向を見ることができる。
 平成16年の執行猶予言渡人員に対する執行猶予取消人員の比率は,13.1%であり,この比率を罪名別に見ると,覚せい剤取締法違反(29.8%),窃盗(22.3%)の順に高い。また,同年の保護観察付き執行猶予言渡人員に対する保護観察付き執行猶予者の再犯による取消人員の比率は,26.7%であり,この比率を罪名別に見ると,覚せい剤取締法違反が40.6%と最も高く,次いで,窃盗(31.8%),恐喝(28.4%)の順であった(検察統計年報による。)。

2-3-3-4表 取消事由別執行猶予取消人員