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 平成17年版 犯罪白書 第1編/第3章/第3節/4 

4 倒産関連犯罪

 強制執行妨害,競売入札妨害(談合を含む。)及び破産法(平成16年法律第75号による廃止前の大正11年法律第71号)違反の検察庁新規受理人員の推移(最近10年間)は,1-3-3-8図のとおりである。
 なお,破産事件の件数の増大等を踏まえて,迅速・公正な財産の清算等を図る目的で,平成16年に新しい破産法(平成16年法律第75号)が制定され,17年1月から施行された。同法律においては,破産手続開始時における破産者の重要財産開示義務違反行為,破産手続開始後に手続外で破産債権の回収を図る目的で破産者等に対して面会を強請する行為等について罰則が新設された。

1-3-3-8図 強制執行妨害・競売入札妨害・破産法違反の検察庁新規受理人員の推移

 強制執行妨害,競売入札妨害(談合を含む。)及び破産法違反の起訴・不起訴人員等(最近5年間)は,1-3-3-9表のとおりである。
 平成16年における起訴人員の内訳は,強制執行妨害で,10人が公判請求,5人が略式命令請求され,競売入札妨害(談合を含む。)で,117人が公判請求,61人が略式命令請求され,破産法違反で,2人が公判請求されている(検察統計年報による。)。

1-3-3-9表 強制執行妨害・競売入札妨害・破産法違反の起訴・不起訴人員

 倒産関連犯罪は,不良債権の回収をめぐって発生することが多い。破綻金融機関における不良債権の回収は,我が国の経済における大きな問題の一つになっており,預金保険法(昭和46年法律第34号)及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成10年法律第132号)に基づき,株式会社整理回収機構(以下「整理回収機構」という。)が破綻金融機関その他の金融機関から不良債権を買い取り,その回収等を行っている。
 破綻金融機関における不良債権の回収等に関連する犯罪に関しては,刑事責任の追及を厳格に行うため,整理回収機構等の役職員に対し,告発に向けて所要の措置をとる義務が課せられている。整理回収機構は,平成16年度(会計年度)に,18件(36人)の告発をした。その内訳は,競売入札妨害7件(9人),詐欺6件(12人),強制執行妨害4件(14人),破産法違反1件(1人)であった(預金保険機構の資料による。)。