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 平成17年版 犯罪白書 第1編/第1章/第4節/1 

第4節 新規立法関連

1 改正刑法等

 平成17年1月1日から施行された刑法等の一部を改正する法律(平成16年法律第156号)は,凶悪犯罪を中心とする重大犯罪に適正に対処するため,有期の懲役及び禁錮の上限を15年から20年に,死刑又は無期の懲役若しくは禁錮を減軽して有期の懲役又は禁錮とする場合の長期の上限を15年から30年に,有期の懲役又は禁錮を加重する場合の長期の上限を20年から30年に,それぞれ引き上げた。また,集団強姦罪を新設し,強姦罪,強制わいせつ罪等の性犯罪,殺人罪,傷害・同致死罪,危険運転致傷罪等の法定刑を引き上げた。さらに,公訴時効の期間を延長し,死刑に当たる罪については15年から25年に,無期の懲役又は禁錮に当たる罪については10年から15年に,それぞれ延長するとともに,新たに長期15年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については10年と定めた。
 一部の規定を除き平成17年7月12日から施行された刑法等の一部を改正する法律(平成17年法律第66号)は,人身取引に関する「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し,抑止し及び処罰するための議定書」を我が国が締結するための国内法を整備するほか,近年我が国において発生している長期間にわたる監禁事案,幼児略取・誘拐事案等に適正に対処することを目的とし,人身売買罪及び生命身体加害目的の略取・誘拐罪を新設し,逮捕・監禁罪及び未成年者略取・誘拐罪の法定刑を引き上げるなどした。