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昭和三七年中に全国の検察庁で,新規に受理した事件の被疑者の総数(検察庁間の移送,または家庭裁判所からの送致による受理人員数および事件の再起による受理人員数を除く)は,四,九五六,七七〇人である。これを刑法犯,道路交通法違反および同法に基く命令の違反(以下道交違反という)ならびに道交違反以外の特別法犯(以下,単に特別法犯という)の三者別に,昭和三六年の数とともに示すと,II-2表のとおりとなる。総数のうち,刑法犯は一二・八%,特別法犯は三・九%にすぎず,道交違反が八三・三%を占めている。これを前年度と比較すると,総数において,じつに三二・八%の増加を示しているが,その内容をみると,刑法犯は一・二%減少しており,特別法犯は一一・六%の増加にすぎず,ただ,道交違反のみが四一・六%と大幅の増加を示しているのであって,検察庁における新規受理総数の増加が,主として,道交違反の増加に基くことが明らかである。このように,道交違反の受理は四〇〇万を突破し,全事件の八割以上を占めるに至っているのである。もっとも,検察庁における道交違反の処理は,他の事件に比し,かなり負担は軽いようであるが,それにしても,これだけの数字になると,全体としての負担は決して容易なものではない。この点は取締りの第一線にある警察も,また裁判所も同様である。交通切符制度は,この根本的な対策の一環として,昭和三八年一月一日から全国主要一〇地区を皮切りに,実施の運びとなったものであるが,その実施状況については,さきに特殊犯罪中,交通犯罪の項で述べたとおりである。
II-2表 新受人員の内訳(昭和36,37年) |