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 平成16年版 犯罪白書 第5編/第4章/第2節/1 

第2節 仮出獄

1 仮出獄の意義

 仮出獄は,懲役又は禁錮の受刑者を刑期満了前に仮に出獄させる制度である。成人の場合,有期刑については刑期の3分の1以上,無期刑については10年以上服役することが前提条件であり,その上で,改悛の状があると認められれば,地方更生保護委員会の決定によって仮出獄が許可される。仮出獄者は,一定の遵守事項を守ることを義務付けられ,残刑の期間中,保護観察に付される。したがって,残刑の期間は,保護観察という社会内処遇が実施される期間という意味も持つ。仮出獄を取り消されることなく残刑期間が無事に経過したときは,刑の執行も終了する。
 仮出獄制度の目的は,改善更生が期待できる受刑者を刑期満了前に施設内処遇から社会内処遇に移行させ,保護観察官等の指導の下,円滑な社会復帰を促進することにある。