第1節 概説
1 組織の概要 我が国の矯正行政は,法務省の所掌事務の一つであり,内部部局として矯正に関する事項を所掌事務とする矯正局が設置されている。 矯正局の事務を分掌する地方支分部局として,矯正管区(8庁)が,高等裁判所,高等検察庁及び地方更生保護委員会に対応して設置されており,適正な施設運営がなされるように管轄区域内の矯正施設を監督指導している。 また,矯正施設として,刑務所,少年刑務所,拘置所,少年院,少年鑑別所及び婦人補導院が置かれており,そのうち,刑務所,少年刑務所及び拘置所を総称して行刑施設という。 刑務所及び少年刑務所は,主として懲役,禁錮及び拘留の刑に処せられた者を刑の執行のために収容し,これらの者に対して必要な処遇を行うことを任務とする監獄であり,拘置所は,主として未決拘禁者(勾留中の被告人及び被疑者をいう。以下同じ。)を収容する監獄である。そのほか,刑務所には受刑者の分隔及び処遇上の必要に応じて,女子受刑者のみを収容する施設(栃木,笠松,和歌山,岩国及び麓の各刑務所並びに札幌刑務支所)や身体疾患又は精神障害を有する受刑者に対して医療的処遇を行う医療刑務所(4施設)がある。 また,行刑施設には,罰金又は科料を完納することができない者を留置する労役場のほか,一部の施設を除いて,法廷等の秩序維持に関する法律(昭和27年法律第286号)2条により監置に処せられた者を留置する監置場が附設されている。 平成16年4月1日現在の行刑施設数は,本所が74施設(刑務所59,少年刑務所8,拘置所7),支所が115施設(刑務支所5,拘置支所110)である。 行刑施設に勤務する職員は,法務事務官で監獄法上の戒護権を有する刑務官のほか,法務技官,法務教官等である。平成16年度の職員定員は,1万7,378人である。
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