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 平成16年版 犯罪白書 第1編/第3章/第1節 

第1節 犯罪歴がある成人の犯罪

 1-3-1-1図は,一般刑法犯(道路上の交通事故に係る危険運転致死傷を除く。以下,1-3-1-4表を除き本章において同じ。)の検挙人員中の再犯者(以前に検挙されたことがあって,再び検挙された者をいう。以下,本章において同じ。)の人員及びその比率(以下,本章において「再犯者率」という。)を,成人・少年別に,過去10年間について見たものである。
 平成15年における同検挙人員中の再犯者は13万5,295人であり,再犯者率は35.6%であった。人員及び再犯者率ともに9年以降増加・上昇が続いている。
 成人の再犯者について見ると,人員は平成8年以降増加し,15年には9万4,914人となっており,また,再犯者率も7年以降上昇し,15年には40.4%となっている(少年については,次節参照。)。

1-3-1-1図 一般刑法犯検挙人員中の再犯者の人員・再犯者率の推移

 1-3-1-2図は,成人の一般刑法犯検挙人員中の,有前科者(過去に道路交通法違反以外の罪により確定判決で刑の言渡しを受けたことがある者をいい,執行猶予期間の経過等で刑の言渡しの効力が失われた場合を含む。以下,本章において同じ。)の人員及びその比率(以下,本章において「有前科者率」という。)を,最近10年間について見たものである。平成15年における同検挙人員中の有前科者は6万6,971人であり,有前科者率は28.5%である。前科数を見ると,1犯の者が約3分の1を占めていて最も多い。同検挙人員中の有前科者は,8年以降増加を続けており,中でも前科1犯の者の増加が大きい。

1-3-1-2図 成人一般刑法犯検挙人員中の有前科者人員・有前科者率の推移

 1-3-1-3表は,平成15年における成人の一般刑法犯検挙人員について,有前科者の人員並びに同一罪種の前科がある者の人員及びその比率を,主要罪名別に見たものである。有前科者率は,一般刑法犯総数では28.5%であるが,脅迫及び恐喝では50%を超え,殺人,強盗,詐欺及び器物損壊では40%を超えている。また,同一罪種の前科がある者の比率は,一般刑法犯総数では13.7%であるが,傷害及び恐喝では20%を超え,窃盗及び詐欺では20%に近い。なお,覚せい剤取締法違反の検挙人員中,同法違反の検挙歴がある者の占める比率は55.1%となっている。

1-3-1-3表 成人の主要罪名別検挙人員中の有前科者人員・同一罪種有前科者人員

 1-3-1-4表は,平成15年中に起訴(交通関係業過及び道交違反を除く。)された者(法人を除く。)について,有前科者の人員及び有前科者の占める比率並びに犯行時の身上(執行猶予中,仮出獄中又は保釈中)を,主要罪名別に見たものである。有前科者の占める比率は,総数では45.6%であり,罪名別で見ると,暴力行為等処罰法違反及び覚せい剤取締法違反では60%を超えている。また,有前科者のうち,犯行時に執行猶予中であった者の占める比率は,総数では15.4%であり,罪名別に見ると,窃盗,横領(遺失物等横領を含む。)及び覚せい剤取締法違反では20%前後と高くなっている。

1-3-1-4表 起訴された人員中の主要罪名別有前科者人員・犯行時の身上別人員