1-2-4-1図は，昭和21年以降の女子一般刑法犯検挙人員及び一般刑法犯検挙人員に占める女子の比率（女子比）の推移を見たものである。女子一般刑法犯の検挙人員は，昭和25年，39年，58年のピークを経て，平成期に入って減少したが，平成4年の5万2千人台を底として上昇傾向にあり，15年は前年より5,010人増加して7万9,601人となった。昭和21年以降上昇傾向を示してきた女子比は，63年に初めて20％を超えた後，おおむね20％前後で推移しており，平成15年は，前年より0.4ポイント低下し，21.0％である。なお，14歳以上の女子の人口10万人当たりの女子一般刑法犯の検挙人員（人口比）は，平成に入ってからはおおむね100から130の間であったが，15年は139.2（前年比8.3増）であった（巻末資料1-1参照）。

1-2-4-1図　女子一般刑法犯検挙人員及び女子比の推移

　1-2-4-2図は，最近10年間における女子一般刑法犯検挙人員の年齢層別構成比を見たものである。各年とも，検挙人員に占める少年の比率（少年比）が最も高いが，平成15年は43.8％であり，昭和56年以降最も低い数値であった。成人層では，20歳代から50歳代が減少ないし横ばいで推移する一方，60歳以上の高齢者が上昇傾向を示しており，取り分け，70歳以上の年齢層の上昇が目立っている。

1-2-4-2図　女子一般刑法犯検挙人員の年齢層別構成比

　1-2-4-3表は，平成15年における女子一般刑法犯の罪名別検挙人員を，20年前，10年前，前年と対比して示したものである。15年においては，女子検挙人員の71.5％を窃盗が占めており，以下，横領，傷害の順となっている。このうち，窃盗の約8割が万引きであり，横領のほとんどが遺失物等横領である。検挙人員に占める女子の比率（女子比）が高い罪種は，殺人のうちの嬰児殺（66.7％）及び窃盗のうちの万引き（44.3％）である。
　平成15年の女子の少年比を罪名別に見ると，恐喝（73.7％），傷害（55.5％），強盗（49.3％）等の凶悪・粗暴な犯罪や横領（54.6％）での少年比の高さが目立っている。

1-2-4-3表　女子一般刑法犯の罪名別検挙人員