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3 被害者の学職別の変動 (1) 殺人 殺人被害者の学職別実数及び構成比の推移を見たのが,5―3―6―21図である。全体として認知件数が減少しているので被害者数も減少しており,昭和48年と平成14年とを比較すると,実数では,有職者は44.0%減,未就学児童は79.8%減となっているのに対して,学生・生徒・未就学児童等を除く無職者(主婦を含む。以下「無職者」という。)は38.1%増となっている。構成比で見ると,有職者は50%前後で上下しているがほぼ横ばいであり,未就学児童が16.6%から4.8%へと11.8ポイント減であるのに対して,無職者が22.2%から43.9%へと21.7ポイント増と上昇しているのが目立つ。嬰児殺の減少と出生数減少による少子化により未成年者が減少していることに対応しての動向と思われる。
5―3―6―21図 殺人被害者の学職別実数及び構成比の推移 (2) 強盗 強盗被害者の学職別実数及び構成比の推移を見たのが,5―3―6―22図である。平成5年と14年とを比較すると,実数では,有職者が2.6倍,学生・生徒・未就学児童が3.3倍,無職者が4.1倍と激増している。有職者以外の被害者数を取り出して平成5年以降10年間の推移を見ると,高校生が3.6倍,大学生が4.1倍,専修学校生等が2.7倍,主婦が2.4倍,その他無職者(主婦・失業者・浮浪者を含まず,年金生活者が含まれる。)が5.1倍となっている。また,構成比で見ると,金品をねらうという犯罪の性質上有職者の比率も高いが,近年,学生・生徒等の比率が比較的高い傾向がある。近年は,大学生・高校生や無職者(年金生活者等を含む。)が強盗の被害に遭う機会が増えていることがうかがわれる。
5―3―6―22図 強盗被害者の学職別実数及び構成比の推移等 |