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 平成15年版 犯罪白書 第5編/第2章/第3節/2 

2 犯行時間帯から見た強盗の動向

 強盗について,犯行時間帯の推移を見たのが,5―2―3―3図である。昼間(午前6時から午後6時まで)と夜間(午後6時から翌朝6時まで)に分けて認知件数と構成比の推移を見ると,認知件数は昭和48年から平成元年までは夜間の犯行が横ばいないし減少気味であったが,その後増加に転じ,平成8年以降は増加傾向が著しくなっており,構成比では昭和59年以降上昇傾向にある。
 さらに時間帯別に認知件数を見ていくと,平成14年は昭和58年と比べて,午後6時から10時までの時間帯で3.7倍,午後10時から翌日の午前2時までの時間帯で4.4倍,午前2時から6時までの時間帯で3.0倍となっている。
 5―2―3―4図は認知件数の犯行時間帯別構成比を昭和58年,平成5年,14年について見たものである。夜間構成比は,昭和58年57.8%,平成5年64.0%,14年70.7%と漸増しており,特に深夜時間帯である午後10時から翌日の午前2時までの犯行の割合に着目すると,19.6%,26.2%,28.9%と上昇傾向を示している。
 前記1の犯行場所で見た路上強盗の増加傾向と併せて見ると,強盗の近年における増加傾向の中心は,場所としては路上,時間帯としては深夜時間帯であり,深夜の路上強盗の激増によるところが大きいことがうかがわれる。深夜営業の飲食店や24時間営業のコンビニエンスストア等深夜時間帯に営業する店舗が増えたことによって市民が深夜時間帯に屋外を歩く機会も増大し,これをねらった強盗が多発するようになったものと思われる。

5―2―3―3図 強盗・発生時間帯別認知件数の推移

5―2―3―4図 強盗・発生時間帯別認知件数構成比