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 平成15年版 犯罪白書 第4編/第2章/第6節/3 

3 保護観察対象少年の特徴

 保護観察対象少年の特徴を,平成14年の保護観察処分少年(交通短期保護観察少年を除く。以下,本項で同じ。)及び少年院仮退院者の保護観察新規受理人員について見る。

(1) 男女別と非行名

 4―2―6―2図は,男女別に非行名を見たものである。
 女子は,保護観察処分少年では,総数2万5,309人に対して3,259人(12.9%)であり,少年院仮退院者では,総数5,848人に対して615人(10.5%)となっている。
 非行名について見ると,保護観察処分少年では,男女とも窃盗が最も多く(男子34.3%,女子26.4%),次いで,男子では道路交通法違反,傷害,女子では傷害,道路交通法違反,毒劇法違反が多い。少年院仮退院者については,男子では,窃盗(36.4%)が最も多く,傷害,道路交通法違反がこれに続き,保護観察処分少年と同様の傾向であるが,これらの次に強盗が多い点が異なる。女子では,覚せい剤取締法違反(28.3%)が最も多く,次いで窃盗,傷害,虞犯の順となっていて,保護観察処分少年及び男子の少年院仮退院者と大きく異なる。

4―2―6―2図 保護観察処分少年及び少年院仮退院者新規受理人員の非行名別構成比

(2) 年齢層

 4―2―6―3図は,年齢層を見たものである。保護観察処分少年では,16・17歳及び18・19歳がともに40%をやや上回る程度でほぼ同率で,15歳以下の者は20%以下である。少年院仮退院者では,18・19歳の占める比率が46.4%と最も高く,16・17歳が34.1%で,20歳以上の者も13.2%に達し,全体として保護観察処分少年よりも年齢層が高い。

4―2―6―3図 保護観察処分少年及び少年院仮退院者新規受理人員の年齢層別構成比

(3) 保護処分歴

 4―2―6―4図は,保護処分歴を見たものである。保護観察処分少年では,処分歴のない者が50.1%(前年比0.1ポイント低下)と半数を占め,次いで,保護観察処分歴のある者が19.0%,家庭裁判所での不処分歴のある者が14.2%,同審判不開始歴のある者が13.2%となっている。これに対して,少年院仮退院者では,処分歴のない者は24.2%(前年比1.6ポイント低下)に過ぎず,処分歴のある者も,不処分(5.4%),審判不開始(5.1%)は少なくて,保護観察処分が43.6%と最も多く,少年院送致(1回と2回以上の合計)も18.5%に達する。

4―2―6―4図 保護観察処分少年及び少年院仮退院者新規受理人員の保護処分歴別構成比

(4) 不良集団関係

 4―2―6―5図は,不良集団関係を見たものである。保護観察処分少年では,不良集団関係のない者が6割以上で,暴走族と関係ある者が16.2%,地域不良集団と関係がある者が13.0%,不良生徒・学生集団と関係がある者が4.9%等である。少年院仮退院者では,不良集団関係のない者は4割以下で,暴走族と関係がある者(35.8%),地域不良集団と関係がある者(18.2%)が多い上に,暴力団と関係がある者も4.5%おり,6割以上の者に不良集団関係が認められる。

4―2―6―5図 保護観察処分少年及び少年院仮退院者新規受理人員の不良集団間軽蔑構成比

(5) 薬物等使用歴

 薬物等使用歴を見ると,保護観察処分少年では,使用歴のない者が87.6%,シンナー等有機溶剤の使用歴のある者が10.1%,覚せい剤が1.3%,大麻その他が0.8%となっていて,薬物等使用歴のある者は多くない。少年院仮退院者では,使用歴のない者が66.4%,シンナー等有機溶剤の使用歴のある者が22.8%,覚せい剤が9.2%,大麻その他が1.3%となっていて,保護観察処分少年よりも使用歴のある者の比率が高い(保護統計年報による。)。