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3 少年受刑者の処遇の概要 少年受刑者については,その特性を考慮し,処遇の個別化と処遇内容・方法の多様化を2本柱とする基本的理念に基づいた処遇を行っている。少年院に収容された16歳未満の少年受刑者に対しては,懲役の言渡しを受けた場合であっても作業を課さず,矯正教育が施される。
職業訓練の種目には,溶接,自動車整備,電気工事等があり,多くの者が,公認の資格・免許を取得し,又は職業的技能を習得して,出所後の自立更生に役立てている。 教科教育について見ると,松本少年刑務所では,所内に地元公立中学校の分校を設けている。また,盛岡,松本及び奈良の各少年刑務所では,地元県立高校の協力を得て高校通信制課程を受講させている。このほか,希望者には,社会通信教育及び学校通信教育も受講させている(法務省矯正局の資料による。)。 ★不定期刑(P.243) 刑期をあらかじめ確定せずに言い渡す自由刑をいいます。少年法は,本人の成熟度,教育の達成度などに応じて処遇に弾力性を持たせるため,少年に対して長期3年以上の有期懲役・禁錮をもって処断すべきときは,例えば,「懲役3年以上5年以下」というように,その刑の範囲内で長期と短期を定めて言い渡すこととしています(執行猶予の場合を除きます。)。なお,少年に対して不定期刑を言い渡す場合,宣告刑の長期は10年,短期は5年を超えることができないものとされています。 ★処遇の個別化(P.244) 個別的処遇計画の策定,個別担任の指定,成績評価の実施など,受刑者個々人の特性と必要性に応じた処遇を展開することをいいます。 ★処遇内容・方法の多様化(P.244) 個別面接,日誌指導等の個別指導,各種処遇技法を用いた処遇類型別指導,職業訓練受講の督励など,受刑者各人を取り巻く状況を考慮して,多様な処遇を実施することをいいます。 |