4 保護観察処遇の状況
(1) 成績良好者に対する措置 保護観察の期間中に,行状が安定し,再犯のおそれがなくなったと認められる者に対してとる措置を良好措置という。良好措置には,刑の短期を経過した不定期刑仮出獄者について刑の執行を受け終わったものとする不定期刑終了,保護観察付き執行猶予者について保護観察を仮に解除する仮解除の措置がある。平成14年にとられた良好措置は,不定期刑終了はなく(前年1人),仮解除602人(同591人)となっている(保護統計年報による。)。
(2) 成績不良者に対する措置 保護観察の期間中に,遵守事項違反,再犯等があった者に対してとられる措置を不良措置という。仮出獄者を行刑施設に再収容する仮出獄の取消しの措置,所在不明になった仮出獄者の刑期の進行を止める保護観察の停止の措置,保護観察付き執行猶予者を行刑施設に収容する刑の執行猶予の取消しの措置,婦人補導院仮退院者を婦人補導院に再収容する仮退院の取消しの措置がある。平成14年中にとられた不良措置は,保護観察の停止が592人(前年594人),仮出獄の取消しが1,047人(同991人),刑の執行猶予の取消しが1,851人(同1,739人)となっている(保護統計年報による。)。 なお,保護観察対象者が,一定の住居に居住しない場合や,遵守事項を遵守しなかったことを疑うに足りる十分な理由があり,かつ,保護観察所の長の呼出しに応じないか又は応じないおそれがある場合には,裁判官の発する引致状により引致を行い,さらに,不良措置の審理を開始する旨の決定により,一定の期間,所定の施設に留置する措置がとられる。保護観察処分少年及び少年院仮退院者を含めて,平成14年において引致された者は192人(前年215人),留置された者は161人(同164人)である(保護統計年報による。)。
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