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 平成15年版 犯罪白書 第2編/第4章/第1節/4 

4 民間協力組織

 犯罪者や非行少年の改善更生と円滑な社会復帰を図る更生保護の諸活動は,地域社会の理解と協力なくしては,十分な効果を上げることが困難である。更生保護の諸活動に積極的に参加,協力している民間協力組織及び民間協力者が少なくない。その主なものは,次のとおりである。

(1) BBS会

 BBS(Big Brothers and Sisters movement)会は,兄や姉の立場に立って少年と接することにより,その健全育成や非行防止を援助するとともに,犯罪や非行のない地域社会づくりのための諸活動を行う青年たちのボランティア組織である。
 BBS会員の特色ある活動として,保護観察所や,そのほかに児童相談所,家庭裁判所等からの依頼を受けて実施される「ともだち活動」がある。これはBBS会員が,問題や悩みを抱えた少年の良き相談相手となり,その問題解決を手助けする活動である。また,社会参加活動への協力や少年院を訪問しての在院者との交流活動のほか,地域と連携した野外体験活動など少年の非行防止・健全育成を図るための活動が展開されている。
 市区町村等の地域単位だけでなく,最近では学校を活動単位とするBBS会の結成もみられるなど新たな動きはあるものの,活動の基本的組織は地域と結び付いた地区会が中心となっている。平成15年4月1日現在,BBS会の数は571,会員数は6,169人である(法務省保護局の資料による。)。

(2) 更生保護女性会

 更生保護女性会は,女性の立場から,地域社会の犯罪・非行の未然防止のための啓発活動を行うとともに,青少年の健全な育成に努め,犯罪者・非行少年の更生に協力することを目的とする民間団体であり,更生保護思想の普及,犯罪予防,保護観察対象者等に対する援助・激励,保護司・BBS会等に対する協力等の多様な活動を展開している。地域社会において,非行問題を話し合う対話集会(ミニ集会)を開催するほか,近年では地域のネットワークを広げながら「子育て支援活動」にも取り組んでいる。
 更生保護女性会は,これまで「更生保護婦人会」を称していたが,全国更生保護婦人連盟が,平成15年5月21日付けで,団体名を日本更生保護女性連盟に変更することを決定した。その傘下にある地方,都府県の更生保護婦人連盟及び地区の更生保護婦人会においても,順次同様の名称変更がなされている。
 平成15年4月1日現在,地区会数は1,338に上り,会員数は20万4,760人である(法務省保護局の資料による。)。

(3) 協力雇用主

 保護観察対象者や更生緊急保護対象者は,犯罪・非行の前歴や環境に恵まれていないことなどのため,定職に就くことが必ずしも容易でなく,それが改善更生上の支障となる例が少なくない。このような対象者を,事情を理解した上で雇用し,改善更生に協力する民間篤志家を協力雇用主という。
 平成15年4月1日現在,協力雇用主の数は,個人・法人を合わせて5,050である。協力雇用主の業種ごとに,協力雇用主全体に占める比率の高い順に見ると,建設業(51.1%),製造業(17.2%),サービス業(10.1%)などとなっている(法務省保護局の資料による。)。
 協力雇用主は,保護区又は保護観察所管轄区域単位に組織化されている所もある。また近年,対象者の雇用等に加えて,犯罪予防活動等に幅広く協力を行っている例もある。