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 平成15年版 犯罪白書 第1編/第4章 

第4章 諸外国の犯罪動向との対比

 本章においては,我が国の犯罪動向の特徴を見るために,入手し得た公的資料の範囲内で諸外国の犯罪動向との対比について概観する。
 比較対象国は,フランス,ドイツ,英国(ただし,イングランド及びウェールズに限る。)及び米国の4か国である。
 我が国とこれら4か国における,主要な犯罪,殺人及び窃盗について,それぞれ認知件数,発生率及び検挙率の動向を対比する。
 ここで,各国における主要な犯罪は以下のとおりである。
フランス:交通犯罪等を除く重罪及び軽罪(crime et delit)
ドイツ:交通犯罪等を除く重罪及び軽罪(Straftat)
英国:報告犯罪(notifiable offence:内務省が警察に報告を義務付けている犯罪)
米国:放火を除く指標犯罪(Crime Index offense)(推定値)
日本:交通関係業過を除く刑法犯
 言うまでもなく,特定の犯罪の認知件数等のみによって,犯罪動向を即断することは適当ではない。また,我が国とこれら各国との間では,犯罪とされるものの範囲や犯罪構成要件(ある行為が当該犯罪に該当すると判断される要素や条件)を異にするほか,統計の取り方も同一ではないため,正確な比較や厳密な検討は困難である。しかし,我が国と各国との統計数値を比較して,各国の犯罪動向を概括的に把握することは,我が国の犯罪動向を国際的な視点から分析する上で有益であると考える。