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 平成15年版 犯罪白書 第1編/第1章/第8節/1 

第8節 銃器犯罪

1 銃器犯罪の動向

(1) 銃器発砲事件の発生状況

 警察庁生活安全局の資料によれば,最近5年間における銃器(けん銃,小銃,機関銃,砲,猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃をいう。以下同じ。)発砲事件の件数及びこれによる死亡者数は,1―1―8―1図のとおりである。平成14年の発砲事件数は前年の215件から158件に,死亡者数は前年の39人から24人にそれぞれ減少している。死亡者24人のうち19人が暴力団構成員等(暴力団構成員及び準構成員をいう。以下,この節において同じ。)であり,暴力団以外の死亡者は前年(20人)に比べて減少している。

1―1―8―1図 銃器発砲事件数及びこれによる死亡者数の推移

(2) 銃器使用犯罪の検挙状況

 1―1―8―2図は,最近5年間における銃器使用犯罪の検挙件数及びそのうちでけん銃が使用されたものの件数を,暴力団構成員等によるものと暴力団以外の者によるものに区別して示したものである。
 平成14年における銃器使用犯罪の検挙件数は,前年を14件上回る123件となっており,そのうち52件(42.3%)が暴力団以外の者によるものである。この比率は前年(42.2%)とほぼ同じである。使用された銃砲の種類を見ると,けん銃を使用したものが80件で最も多く,全体の約65%を占めている。

1―1―8―2図 銃器使用犯罪の検挙件数の推移

(3) けん銃の押収状況

 1―1―8―3図は,最近5年間におけるけん銃押収丁数を,暴力団構成員等から押収したものと,それ以外の者から押収したものとに分けて示したものである。平成14年の押収丁数は全部で747丁であり,うち675丁(90.4%)が真正けん銃であった。また,14年は,暴力団以外からの押収丁数(420丁)が,暴力団構成員等からの押収丁数(327丁)よりも多くなっている点が注目される。
 平成14年に押収された真正けん銃675丁について,これを製造国別に見ると,米国(191丁),中国(42丁),ロシア(36丁),ベルギー(35丁),フィリピン(33丁)等の順となっている(警察庁生活安全局の資料による。)。

1―1―8―3図 けん銃押収丁数の推移