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 平成14年版 犯罪白書 第1編/第2章/第4節 

第4節 精神障害者の犯罪

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下,本節において「精神保健福祉法」という。)では,「精神障害者」を,精神分裂病,精神作用物質による急性中毒又はその依存症,知的障害,精神病質その他の精神疾患を有する者をいうと定義している。
 また,刑法は,第39条において,[1]心神喪失者の行為は,罰しない,[2]心神耗弱者の行為は,その刑を減軽すると規定している。このため刑事裁判においては,精神の障害によって,自己の行為の是非善悪を弁別する能力を欠くか,又はその能力はあるがこれに従って行動する能力がない者は,心神喪失者として,処罰することはできず,また,このような弁別能力又は弁別に従って行動する能力の著しく低い者は,心神耗弱者として,刑が減軽される。なお,前記の精神障害者と心神喪失者・心神耗弱者とは異なるものであって,精神障害者のすべてが心神喪失者・心神耗弱者となるわけではない。