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 平成13年版 犯罪白書 第4編/第6章/3 

3 薬物事犯

 我が国の薬物事犯の中心である覚せい剤取締法違反は,平成7年以降漸増傾向を示し,12年の送致人員が1万9,156人となり,薬物事犯全体の送致人員は2万人を超えるなど,現在は,昭和29年,59年のピークに続く覚せい剤(薬物)乱用期を形成しているといわれている。
 近年,大量の覚せい剤の押収事犯が激増し,その押収総量は,平成11年には約2,000kgと過去最高を示すとともに,12年には約1,000kgであって,高水準の押収量で推移している。麻薬特例法が適用される営業犯による薬物事件も,最高の36件に達した。
 覚せい剤事犯では,主要刑法犯と比較して,送致人員に占める再犯者率が高く,平成12年における新受刑者の入所度数別構成比を見ても,覚せい剤事犯受刑者に占める入所度数2度以上の者の比率が6割を超えている。
 覚せい剤事犯の年齢層別送致人員の人口比は,昭和55年までは,30歳代が最も高かったが,その後,20歳代が高くなり,平成7年以降は,20歳未満も上昇し,若年層が高い水準で推移している。前記の再犯者率の高さを考え併せると,今後の動向が懸念される。