2 交通犯罪 平成12年の交通事故は,発生件数93万1,934件及び負傷者数115万5,697人と,いずれも戦後最高であるが,死亡者数は9,066人と横ばいである。これを過去5年間の人口当たり又は車両保有台数当たりの比率で見ると,負傷者と重傷者が上昇しているのに対し,死亡者は低下している。 自動車運転者が第1当事者である事故について,年齢層別に運転免許保有者数当たりの交通事故発生率と死亡事故発生率を見ると,16〜19歳の層では,いずれも最高である。これに対し,75歳以上の高齢者層では,交通事故発生率はさほど高くないのに,死亡事故発生率が16〜19歳の層に次いで二番目に高い。 交通関係業過の検察庁処理状況を見ると,ここ数年は,交通関係業過の公判請求人員,略式命令人員が増加に転じ,公判請求率も上昇した上,道交違反についても,平成7年以降,公判請求人員は増加を示している。また,同様に,交通関係業過の裁判所処理状況を見ると,言渡し刑期が2年以上の占める比率が年々高くなっており,そのうち致死事案を見ると,ここ3年間における懲役又は禁錮で2年を超える通常第一審の科刑では,実刑率の上昇と刑の長期化傾向が見てとれる。さらに,交通事犯の受刑者は,9年の1,899人を底に,10年からは増加しており,12年は2,438人となっている。
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