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2 裁判所における処理状況 IV-68図は,最近10年間について,通常第一審における有罪人員総数及び外国人事件比(有罪人員総数に占める外国人が被告人となった事件の比率をいう。以下,本項において同じ。)の推移を見たものである。外国人有罪人員は,平成3年以降増加を続け,9年に8,473人のピークを示している。10年以降,減少傾向を示し,12年は7,740人となっているが,3年を100とする指数は271となっている。
IV-68図 通常第一審における有罪人員・外国人事件比の推移 外国人事件比を見ると,外国人有罪人員の動きと同様に,平成9年をピークとして10年以降低下傾向を示しており,12年は,有罪人員総数の伸びを背景に,ピーク時の9年(12.9%)と比べ3.0ポイント低下して9.9%となっているが,3年(5.2%)と比べると4.7ポイント高くなっている。また,外国人事件の有罪人員のうち,通訳・翻訳人の付いた人員について見ると,昭和62年以降の増加の動きは,平成10年から減少に転じ,11年は6,770人(有罪人員総数の9.4%,外国人事件の有罪人員の83.2%),12年は6,290人(有罪人員総数の8.1%,外国人事件の有罪人員の81.3%)と引き続き減少しているものの,12年は,3年(1,421人)を100とする指数では443となっている。 通常第一審における通訳・翻訳人の付いた外国人被告人の言語別終局人員の構成比を見ると,平成11年(総数6,793人)は,中国語42.0%,韓国・朝鮮語14.5%,タガログ語6.8%,タイ語6.6%,ペルシャ語6.5%,スペイン語5.0%,ポルトガル語3.6%等,12年(総数6,328人)は,中国語38.8%,韓国・朝鮮語15.6%,タガログ語6.8%,ペルシャ語6.4%,タイ語6.2%,ポルトガル語5.3%,スペイン語4.7%等となっている(最高裁判所事務総局の資料による。)。 IV-69図は,最近5年間の通常第一審における通訳・翻訳人の付いた外国人被告人の刑期別構成比の推移を見たものである。 IV-69図 通常第一審の通訳・翻訳人の付いた外国人被告人の刑期別構成比の推移 刑期が1年以上(2年未満)の者の占める比率が低下し,平成10年に50%を割り込むと,12年には42.2%まで低下した。反対に,刑期が2年以上の者の占める比率が年々上昇し,12年は,8年と比べ13.3ポイント増えて50.9%となっており,半数を超えている。 |