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 平成13年版 犯罪白書 第4編/第5章/第2節/2 

2 主要罪名別動向

 来日外国人による犯罪のうち,窃盗,入管法違反,薬物関係法令違反及び売春防止法違反の,最近10年間における検挙件数の推移を示したものがIV-64図である。

IV-64図 来日外国人による事件の主要罪名別検挙件数の推移

 窃盗は,平成5年に急増し,その後もおおむね増加する傾向を見せている。12年は前年より2,452件(10.9%)減少して1万9,952件となっているが,これを,3年を100とする指数で見ると,443となっている。手口別に見ると,侵入盗の増加が目立つ。12年には,総数の減少に反して侵入盗は増加し,前年比1,652件(34.8%)増の6,396件となっており,窃盗の総数に占める侵入盗の比率は32.1%となっている。
 入管法違反は,平成7,8年を除いて9年まで増加を示した。10年には減少に転じ,以後漸減して,12年は5,862件となっているが,これを,3年を100とする指数で見ると,330となる。検挙件数及び検挙人員を態様別に見ると,不法残留が3,111件,2,730人で最も多く,次いで,旅券不携帯・提示拒否1,725件,1,367人,不法入国430件,331人の順となっている。
 近年,いわゆる「蛇頭」等の国際的な密航請負組織が関与する中国等からの集団密航事件が激増し,警察又は海上保安庁が検挙した集団密航事件の検挙人員も,平成7年には324人であったものが,8年には679人,9年には1,360人と急増したが,10年には1,023人に減少し,11年は770人,12年は103人と激減している(警察庁長官官房国際部の資料による。)。また,9年5月の出入国管理及び難民認定法の一部改正(同月施行)により新設された集団密航に係る罪等の送致人員は,9年38人,10年153人,11年142人,12年29人となっている(警察庁刑事局の資料による。)。
 薬物関係法令違反は,平成4年に急増した後も,8年を除いて10年まで増加を続けた。11年は減少に転じ,12年は前年とほぼ同水準の1,051件となっているが,これを,3年を100とする指数で見ると,294となる。
 売春防止法違反は,平成5年まで毎年,前年比3割弱の伸び率を示していたが,5年のピークの後,6年には急減し,以後おおむね減少する傾向を見せている。12年は前年より37件(15.2%)増加して280件となっているが,これを,3年を100とする指数でみると,51となっている。