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4 薬物事犯者の再犯の状況 IV-36表は,強盗,傷害,窃盗等主要罪名別刑法犯検挙人員及び覚せい剤取締法違反送致人員に占める再犯者(被疑者が犯した罪と同一の罪種に属する前科のある者をいう。)の比率(以下,本節において「再犯者率」という。)を,昭和55年以降5年ごとに見たものである。いずれの年次においても,覚せい剤取締法違反の再犯者率は,際立って高く,昭和60年以降は,次いで再犯者率の高い傷害を約20ポイント以上,上回っている。
IV-36表 刑法犯検挙人員の主要罪名別再犯者率及び覚せい剤取締法違反送致人員の再犯者率 IV-56図は,最近20年間の覚せい剤取締法違反の再犯者率の推移を,暴力団員とその他の者について見たものである。両者の比率は,いずれの年次においても,暴力団員の方が高くなっている。また,暴力団員の再犯者率は,昭和59年以降,60%台で推移しているが,それ以外の者の場合は,平成2年及び3年に約50%に達した後,低下し,7年以降は40%前後で推移している。IV-56図 覚せい剤取締法違反暴力団員の再犯者率及びその他の者の再犯者率の推移 IV-57図は,平成12年の新受刑者の入所度数別構成比の推移を,覚せい剤事犯受刑者とその他の受刑者について見たものである。複数回入所した者の比率は,10度以上のものを除き,いずれも覚せい剤事犯受刑者の方が高くなっている。IV-57図 新受刑者の入所度数別構成比 IV-58図は,新受刑者中の初入者について,覚せい剤事犯受刑者とその他の受刑者の刑の執行猶予歴別構成比の推移を,昭和55年以降5年ごとに見たものである。覚せい剤事犯受刑者では,執行猶予歴のある者の比率が,70ないし80%を超えているのに対し,その他の受刑者では,おおむね50%である。IV-58図 新受刑者の執行猶予歴別構成比の推移 IV-59図は,覚せい剤取締法違反による保護観察付き執行猶予者が保護観察期間中に新たに起こした犯罪の罪名別構成比の推移を,昭和55年以降5年ごとに見たものである。いずれの年次も,覚せい剤取締法違反が70%前後を占めている。IV-59図 覚せい剤事犯保護観察付執行猶予者の保護観察期間中の犯罪名の推移 |