第2節 犯罪被害実態の国際比較
1 概説 どのような犯罪が,実際にはどのくらい発生しているかという,警察に届けられていない暗数を含めた犯罪実態を把握するための調査が,アメリカや連合王国等の主要先進国においては定期的に実施されている。 国際犯罪被害実態調査(International Crime Victimisation Survey:ICVS)は,より正確な犯罪動向(罪種別の犯罪被害の有無,警察への申告の有無,犯罪に対する不安等)を把握するとともに,犯罪被害実態に関する国際比較を行うための,一般市民を対象とした調査であり,国連犯罪司法研究所を中心としてほぼ4年ごとに実施されている。2000年に行われた第4回目の調査は,先進国17か国を含む約50の国及び地域で行われた。法務総合研究所では,第4回国際犯罪被害実態調査に参加する形で,平成12年2月4日から同月29日にかけて,無作為に選ばれた全国の16歳以上の男女3,000人を対象として,質問紙に基づく面談での聞き取り方式による調査を実施した。
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