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 平成13年版 犯罪白書 第2編/第5章/第3節/4 

4 保護観察の実施結果

(1) 保護観察終了時の状況

 II-22図は,平成12年に保護観察を終了した者について,その終了事由別構成比を,保護観察の種類別に見たものである。

II-22図 保護観察の終了事由別構成比

 期間満了により保護観察を終了した者が最も多く,仮出獄者では1万1,828人,保護観察付き執行猶予者では3,246人(うち,488人が保護観察の仮解除中)となっている。
 平成12年について,保護観察の終了事由が仮出獄取消しである者及び刑の執行猶予取消しである者の比率を,受理時の罪名別(終了者数が100人未満のものを除く。)に見ると,前者は,窃盗(12.4%)において最も高く,以下,毒劇法違反(10.3%),住居侵入(9.1%)の順,後者は,窃盗(42.6%)において最も高く,以下,詐欺(37.1%),覚せい剤取締法違反(35.7%)の順となっている(保護統計年報による。)。

(2) 再犯及び再入所の状況

 II-23図は,平成3年以降に保護観察を終了した者について,保護観察期間中に,再度罪を犯し,かつ,新たな処分を受けた者の比率(以下「再犯率」という。)を示したものである。

II-23図 保護観察期間中の再犯率の推移

 平成12年における再犯率は,仮出獄者が1.1%(146人),保護観察付き執行猶予者が36.4%(1,889人)となっている。さらに,受理時の罪名別(終了者数が100人未満のものを除く。)に再犯率を見ると,仮出獄者では,強盗(3.8%)が最も高く,次いで,殺人(2.2%),住居侵入(1.7%),放火(1.6%)の順である。保護観察付き執行猶予者では,窃盗(43.9%)が最も高く,次いで,詐欺(39.2%),覚せい剤取締法違反(38.2%),恐喝(38.1%)の順となっている(保護統計年報による。)。
 仮出獄者と満期釈放者について,出所後3年目までの間に行刑施設に再入所した者の比率(累積再入所率)を見ると,仮出獄者が満期釈放者よりも低い傾向が一貫して続いており,平成10年に出所した者では,仮出獄者が26.0%,満期釈放者(拘留場からの釈放者を除く。)が44.8%となっている(矯正統計年報による。)。