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 平成13年版 犯罪白書 第2編/第5章/第1節/2 

2 保護司及び保護司組織

 保護司は,法務大臣から委嘱を受けた民間篤志家であり,全国を903(平成13年4月1日現在)の区域に分けて定められた保護区のいずれかに置かれ,各地域において地域性・民間性を生かした活動を行っている。保護司は,保護司法によって,犯罪をした者の改善及び更生を助けるとともに,犯罪の予防のため世論の啓発に努めることで,地域社会の浄化を図り,個人と公共の福祉に寄与することが,その使命とされ,人格及び行動について社会的な信望があること,職務の遂行に必要な熱意と時間的余裕があることなどの資格要件が定められ,関係者の秘密を尊重しなければならないとされている。また,保護司には,給与は支給されないが,職務に要した費用の全部又は一部が実費弁償される。保護観察所等では,保護司の処遇能力を高めるため,保護司に対する各種研修を定期的・計画的に実施している。
 保護司の定数は,保護司法で5万2,500人を超えないものと定められているが,平成13年1月1日現在,実人員は4万8,760人となっている(法務省保護局の資料による。)。
 保護司の組織としては,保護区単位の保護司会のほか,都府県等単位(北海道にあっては法務大臣が定める区域単位)及び地方委員会の管轄区域単位の組織並びに全国組織がある。
 これらの保護司組織は,犯罪予防活動及び社会資源の開拓推進活動等の計画の策定,保護司の職務に関する連絡及び調整(例えば,保護司に対する処遇上有益な情報の提供,保護司相互の連携の促進,地方公共団体等の関係機関・団体との連絡・協調等),保護司の職務遂行に関し必要な資料及び情報の収集,保護司の職務に関する研究及び意見の発表,保護司研修の運営,保護司及び保護司会の活動に関する広報宣伝,保護司の人材確保の促進に関する活動等の重要な機能を果たしている。