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 平成13年版 犯罪白書 第1編/第1章/第6節/1 

第6節 銃器犯罪

1 銃器犯罪の動向

(1) 発生状況

 警察庁生活安全局の資料によれば,平成12年における銃器(けん銃,小銃,機関銃,砲,猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃をいう。以下同じ。)発砲事件における発砲件数と死亡者数は,I-16図のとおりである。発砲件数は前年の162件から134件に,死亡者数は前年の28人から23人に,それぞれ減少している。

I-16図 銃器発砲事件における発砲件数と死亡者数

(2) 検挙状況

 I-17図は,最近5年間における,銃器使用犯罪の検挙件数及びそのうちけん銃が使用されたものの件数を,暴力団構成員等(暴力団構成員及び準構成員をいう。以下同じ。)によるものとそれ以外の一般人によるものとに区別して見たものである。銃器使用犯罪の検挙件数は平成12年は,前年を17件(16.0%)上回る123件となっている。検挙件数に占める一般人によるものの比率は,12年には検挙件数の31.7%を占めている。

I-17図 銃器使用犯罪検挙件数の推移

 I-18図は,最近5年間における,けん銃に係る銃刀法違反の態様別送致人員の推移を見たものである。けん銃に係る銃刀法違反の送致人員は,平成9年以降減少し,12年は534人(前年比17.3%減)となっている。また,態様別では,けん銃の加重所持は,12年には303人(同1.6%減)となっている。なお,7年5月に,銃砲刀剣類所持等取締法(以下,本節において「銃刀法」という。)の一部改正により新設された発射罪の送致人員は,12年には43人(同34.4%増)となっている(巻末資料I-6参照)。

I-18図 けん銃に係る銃刀法違反の態様別送致人員の推移

(3) けん銃の押収状況

 I-19図は,最近5年間における押収けん銃丁数を,暴力団構成員等から押収したものと,それ以外の一般人から押収したものとに分けて見たものである。
 平成12年に押収された真正けん銃812丁について,これを製造国別に見ると,アメリカが214丁(26.4%)で最も多く,次いでフィリピン145丁(17.9%),中国70丁(8.6%),ブラジル51丁(6.3%)の順となっている。

I-19図 けん銃押収丁数の推移

 また,平成12年にけん銃の密輸入事件で検挙された人員は,前年より2人増の17人,押収されたけん銃は,前年が19丁であったものが114丁と大幅な増加となっている。これは,暴力団幹部らによるフィリピンルート等を摘発したことによるものである(警察庁生活安全局の資料による。)。