3 被害者補償制度 ドイツでは,社会保障制度の一つとして,被害者補償法により,違法な故意の暴力的攻撃等によって被った健康上の被害について,連邦又は州政府が一定の補償を行うこととされている。同法制定時には適用対象をドイツ国民に限定していたが,1993年の同法改正によって,EU加盟国の国民及びドイツ国内に適法に一定期間滞在するそれ以外の外国人に対しても適用し得ることとなった。 補償は,犯罪被害が被害者に及ぼした健康上及び経済上の結果に対して認められ,傷害・疾病の治療及び職業上のリハビリテーションの措置の費用が支給される。また,6か月以上にわたり25%以上の収入能力が減退したときは,その程度に応じた年金が支給され,重大な収入減の場合には,配偶者,子及び両親に対する扶養上の義務も考慮され,さらに,被害者死亡のときには遺族年金が支給される。
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