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5 犯罪被害調査 イギリスは,1982年から定期的に犯罪被害実態調査(British CrimeSurvey)を実施している。この調査は,全国から無作為に抽出された世帯の代表者に対して年間の犯罪被害実態(犯罪被害の種類,程度等)を面接法によって調査するもので,1992年以降は隔年に実施されている。1997年の犯罪被害を対象とした1998年調査は1万4,947人を対象に実施され,回答率は79%であった。調査の目的は,警察の認知件数とは異なる角度から犯罪発生率を測ることにあるが,調査年度ごとに,犯罪が被害者に与えた身体的・経済的・心理的影響や,市民の刑罰に対する意識等に関する特別調査も併せて行われ,その結果が犯罪対策及び犯罪被害者施策に反映されている。V-46図は,主要犯罪総数,不法行為目的侵入及び強盗について,警察による認知件数と犯罪被害実態調査の結果の変化率を1981年を100とする指数の推移で比較したものである。認知件数と犯罪被害実態調査の結果は,総数及び罪種別共にほぼ同じような傾向を示しているが,強盗については,認知件数の傾き(変化率)が犯罪被害実態調査の結果の傾きよりもかなり大きくなっている。
V-46図 犯罪被害実態調査結果及び認知件数の変化率の推移 |