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2 犯罪被害に関する認識 V-13図は,「被害者にどの程度の被害を与えたのか,知っていますか」と尋ねた結果を示したものである。総数では,「知っている」が81.7%,「知らない」は18.3%となっており,ほとんどの者がどの程度の被害を与えたかを認識している。
V-13図 罪種別加害認識の有無 V-14図は,「被害者に精神的な被害を与えましたか」と尋ねた結果を,罪種別に示したものである。総数で見ると,59.3%の者が「精神的被害を与えた」(「大きな精神的被害を与えた」と「与えたけれども,小さい」の合計。以下,本章において同じ。)と回答し,「与えていない」と回答した者は15.5%,「わからない」と回答した者は25.2%となっている。罪種別に見ると,「大きな精神的被害を与えた」の比率は,強姦等が79.7%と最も高く,次いで,強盗61.6%となっており,それ以外の罪種では,30%台から40%台にとどまっている。 V-14図 罪種別精神的被害の認識 さらに,「精神的被害を与えた」とするものを対象に,そのことを知った時期について重複選択で回答を求めた結果を見ると,「警察・検察の取調中」58.7%,「事件のとき」44.1%,「裁判のとき」12.3%,「入所してから」3.7%などとなっている。また,だれから知ったかについては,「警察の人」61.6%,「検察の人」18.2%,「裁判所の人」6.3%,「施設の人」3.2%などとなっている。 次に,V-69表は,被害者の生活に与えたその他の影響についての認識を尋ねた結果を示したものである。総数では,影響を与えたと回答した者は49.1%で,その与えたとする影響の内容を重複選択で尋ねてみると, 「捜査や裁判に協力を求められて迷惑した」が26.7%と最も高く,次いで,「生活が苦しくなった」が20.4%で,その他はいずれも10%未満であり, 一方,「わからない」は28.1%,「影響はない」は23.4%となっている。罪種別に見ると,「影響はない」と答えた者は,総数の比率と比べて,傷害(33.3%)及び恐喝(29.6%)で高く,被害者に与えた影響についての認識に相違がうかがわれる。 V-69表 罪種別被害者の生活への影響 また,V-70表は,被害者の家族に与えた影響についての認識を尋ねた結果を示したものである。総数では,影響を与えたと回答した者は52.6%で,その与えたとする影響の内容を重複選択で尋ねてみると,「精神的なショックを受けた」が33,4%と最も高く,次いで,「捜査や裁判に協力を求められて迷惑した」(21.7%),「生活が苦しくなった」(17.0%),「家庭が暗くなった」(12.6%)の順となっており,一方,「影響はない」は23.3%,「わからない」は24.9%となっている。罪種別に見ると,「精神的なショックを受けた」は,業過致死(86.2%),強姦等(68.4%),殺人等(67.8%),強盗(54.8%)の順に高く,「星活が苦しくなった」は,殺人等(25.3%)及び業過致死(23.1%)で高い。また,「家庭が暗くなった」は,業過致死(70.8%),殺人等(37.9%),強姦等(31.6%)の順で高い。一方,「影響はない」は,傷害(34.7%)及び恐喝(34.5%)で高くなっている。 V-70表 罪種別被害者の家族への影響 |