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 平成11年版 犯罪白書 第5編/第3章/第1節 

第3章 犯罪被害の実態と被害者の捜査・裁判に関する認識・要望等

第1節 概  説

 法務総合研究所では,犯罪被害者又はその遺族(以下,本章において「被害者等」という。)の,被害の実態や被害回復の状況を明らかにするとともに,被害者等の意識や刑事司法機関に対する要望を把握するため,全国の地方検察庁を通じて,被害者等に対するアンケート方式による調査を実施した。
 調査対象は,平成9年1月1日から11年3月31日までの間に有罪判決の言渡しのあった[1]殺人(嬰児殺を除く。)・傷害致死(以下,本章において「殺人等」という。)及び[2]道路上の交通事故に係る業務上過失致死(以下,本章において「業過致死」という。)に係る事件の被害者の遺族並びに[3]殺人未遂・傷害(受傷期間1か月以上のもの。以下,本章において「傷害等」という。),[4]道路上の交通事故に係る業務上過失傷害(受傷期間1か月以上のもの。以下,本章において「業過傷」という。),[5]窃盗,[6]詐欺(無銭飲食・無賃乗車・カード詐欺を除く。)・横領(遺失物等横領を除く。)(以下,本章において「詐欺等」という。),[7]強盗,[8]恐喝,[9]強姦及び[10]強制わいせつに係る事件の被害者のうち,事案の性質,被害者等の感情等にかんがみ,本調査を行うことが適当でないと判断されるものを除き,本調査に回答することに同意した被害者等である。
 調査方法は,所定の質問用紙を被害者等に送付又は交付し,所定の記入を受けて,これを回収することによって行った。
 有効回収総数は1,132人で,罪種別の回答者数は,V-13表のとおりである。