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 平成11年版 犯罪白書 第4編/第7章/第4節/2 

2 裁判所における銃刀法違反の処理状況

 法務省刑事局の資料により,平成10年のけん銃等(けん銃,小銃,機関銃又は砲をいう。以下同じ。),けん銃実包及びけん銃部品に係る銃刀法等違反事件の通常第一審の科刑状況を見ると,これらの事件により懲役の言渡しを受けた者の総数は192人(うち,執行猶予51人,実刑率73.4%)であり,事件別では,「けん銃及び実包所持」が123人(64.1%,うち「加重所持」が116人),「けん銃の単純所持」が33人(17.2%)となっている。刑期別に見ると,3年以上5年未満が全体の45.3%を占め,次いで1年以上3年未満が32.8%,5年以上7年未満が14.6%,7年以上10年未満が4.2%等となっている。
 なお,平成10年に,けん銃等を提出して自首し,刑が減免された人員は22人であり,その刑期別の内訳を見ると,3年以上5年未満が7人,1年以上3年未満及び5年以上7年未満が,それぞれ4人等となっている。
 IV-38図は,最近10年間の通常第一審における,銃刀法違反により懲役の言渡しを受けた者の科刑状況を見たものである。平成5年までは,3年未満が70%以上を占めていたのに対し,6年以降は,5年の銃刀法及び武器等製造法の一部改正により,けん銃等に係る罰則の法定刑が大幅に引き上げられたことなどに伴い,3年以上が過半数を占めるようになっている。

IV-38図 通常第一審における銃刀法違反の懲役の科刑状況