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1 コンピュータ関連犯罪の動向と検察庁及び裁判所における処理状況 コンピュータ等の電子情報処理システムの普及に伴い,これに関連する不正行為に適切に対処するため,昭和62年の刑法の一部改正(同年6月施行)により,電磁的記録不正作出・供用罪,電子計算機損壊等業務妨害罪,電子計算機使用詐欺罪がそれぞれ新設され,公正証書原本不実記載・同行使罪,公用文書等毀棄罪及び私用文書等毀棄罪の容体に電磁的記録が含められた。
これらコンピュータ関連犯罪の最近10年間における検察庁新規受理人員の推移を見たものが,IV-17表である。電子計算機使用詐欺は,平成5年から30人を超え,9年には64人,10年には62人となっている。 IV-18表は,平成10年のコンピュータ関連犯罪の検察庁終局処理人員を処理区分別に見たものである。電子計算機使用詐欺の終局処理人員は64人で,公判請求が46人(71.9%),不起訴16人(25.0%),家庭裁判所送致2人(3.1%)となっている。 IV-17表 コンピュータ関連犯罪の検察庁新規受理人員 IV-18表 コンピュータ関連犯罪の検察庁終局処理人員 IV-19表は,平成10年の通常第一審におけるコンピュータ関連犯罪の懲役の科刑状況を見たものである。電子計算機使用詐欺で懲役の言渡しを受けた者の刑期を見ると,1年未満が1人(5.3%),1年以上3年未満が9人(47.4%),3年が7人(36.8%),3年を超え5年以下が2人(10.5%)となっており,執行猶予率は52.6%となっている。IV-19表 通常第一審におけるコンピュータ関連犯罪の懲役の科刑状況 |