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 平成11年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節/6 

6 選挙関係

 I-17図は,最近10年間における公職選挙法違反の検察庁新規受理人 員の推移を見たものである。
 公職選挙法違反は,各年における選挙の有無・種類等によって受理人員に大きな変動があり,平成2,3,5及び7の各年の受理人員が多くなっているが,これは,2年2月及び5年7月に衆議院議員総選挙が,3年4月及び7年4月に統一地方選挙が,それぞれ行われたことによるものである。しかし,10月に衆議院議員総選挙が行われた8年の受理人員は3,190人であり,前回の5年の7,707人を下回っている。

I-17図 公職選挙法違反の検察庁新規受理人員の推移

 警察庁の統計によって,平成10年の公職選挙法違反につき,違反態様別に送致人員の多いものから順に見ると,買収・利害誘導が圧倒的に多く,次いで,文書図画に関する制限違反,選挙の自由妨害,戸別訪問等の順となっている。
 なお,平成6年2月及び同年11月の公職選挙法の一部改正(同年12月施行)により,いわゆる連座制が強化されたが,改正後に,検察官が連座制に係る当選無効等の訴訟を提起したのは45件であり,そのうち,原告勝訴の判決が確定したものは42件(11年6月18日現在)である。さらに,検察官が提起した訴訟45件の内訳を見ると,7年4月に行われた統一地方選挙に関するものが20件,8年10月に行われた衆議院議員総選挙に関するものが10件,10年2月に行われた衆議院議員補欠選挙に関するものが1件,その他の地方選挙に関するものが14件となっており,その内容を見ると,当選無効及び立候補禁止訴訟が8件,立候補禁止訴訟が37件である。また,連座制の対象となった者78人をその身分ごとに見ると,親族25人,秘書7人,組織的選挙運動管理者等48人(複数の身分を有している者がいるため,対象者総数と合致しない。)となっている。