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 昭和38年版 犯罪白書 第三編/第四章/一/1 

第四章 少年刑務所における処遇

一 少年受刑者の特性

1 刑の執行上の特性

 自由刑の言渡しをうけた少年(一六才以上二〇才未満)に対する刑の執行については,成人に対するそれと異なった面がある。
 まず,懲役または禁錮の言渡しを受けた少年が刑務所に入所すると,かれらは受刑者分類級別上のD級者,すなわち少年法の適用を受ける少年受刑者として分類され,成人受刑者と類別される。そしてこれらの少年受刑者については,少年法によって「特に設けた刑務所,または刑務所の特に分界を設けた場所」(少年法第五六条)でその刑を執行する旨が定められ,さらに心身の状況その他の事情によって,少年処遇が必要と認められたものは「満二〇才に達した後でも,満二六才に達するまでは前項(上記)の規定による執行を継続することができる(同条第二項)と定められている。これは少年時確定の受刑者に対して,特別な処遇や教育を施す必要があるという趣旨に基づくものである。