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 平成10年版 犯罪白書 第3編/第2章/第5節/3 

3 犯行動機

 III-27図は,犯行動機を「遊び」,「困窮・生活苦」,「利欲」,「激情」,「怨恨・報復,「共犯者に誘われ」等に分類した上,昭和49年以降の恐喝・窃盗・横領事件について,犯行動機が利欲である者の占める比率の推移を見たものである。

III-27図 利欲を動機とする者の比率(昭和49年〜平成8年)

 なお,困窮・生活苦の比率は,窃盗及び横領では,ほとんどの年次において1%に満たず,恐喝においても,最も高い比率を示す年次でも3%台にすぎない。
 III-28図は,昭和49年以降の傷害事件について,動機の多くを占める「激情」及び「怨恨・報復」を動機とする者の占める比率の推移を見たものである。

III-28図 傷害の主な動機別の比率(昭和49年〜平成8年)

 昭和62年以降の10年間は,激情を理由とする者がおおむね50%台,怨恨・報復を理由とする者が20%台から30%台となっている。
 III-29図は,昭和49年以降の対象4罪に係る事件について,「遊び」を動機とする者の占める比率の推移を見たものである。

III-29図 遊びを動機とする者の比率(昭和49年〜平成8年)

 III-30図は,昭和49年以降の対象4罪に係る事件について,「共犯者に誘われ」を動機とする者の占める比率の推移を見たものである。

III-30図 「共犯者に誘われ」を動機とする者の比率(昭和49年〜平成8年)

 共犯者に誘われの比率は,いずれの罪名においても,毎年,10%以下となっているが,傷害及び恐喝は,窃盗及び横領より高くなっている。