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 平成 9年版 犯罪白書 第2編/第6章/第3節/4 

4 保護観察の実施結果

(1) 保護観察終了時の成績
 保護観察を終了した者の終了事由については,仮出獄者では,昭和24年以降,期間満了で終了する者の比率が一貫して90%台で推移する一方,仮出獄取消しで終了する者の比率は一けた台で推移している。また,保護観察付き執行猶予者では,現行制度発足直後の一時期を除き,期間満了で終了する者の比率はおおむね60%台ないし70%台で推移する一方,執行猶予の取消しで終了する者の比率は,おおむね20%台ないし30%台で推移している。平成8年に保護観察を終了した者については,仮出獄者(1万2,202人)では,期間満了による者が1万1,223人(92.0%),仮出獄取消しによる者が846人(6.9%)となっている。また,保護観察付き執行猶予者(4,879人)では,期間満了による者が3,221人(66.0%。うち,815人が保護観察の仮解除中),執行猶予取消しによる者が1,522人(31.2%)となっている(保護統計年報による。)。
(2) 再犯及び再入所の状況
 保護観察を終了した者のうち保護観察期間中に,再度の犯罪又は非行を起こし,かつ,新たな処分を受けた者の比率(再犯率)は,昭和54年以降,仮出獄者についてはおおむね1%から2%で,また,保護観察付き執行猶予者についてはおおむね30%台で,それぞれ推移しており,平成8年は,前者が0.9%,後者が34.0%となっている(保護統計年報による。)。さらに,行刑施設を釈放された者について,出所後3年目までの間に行刑施設に再入所した者の比率(再入所率)は,釈放事由別には,仮出獄者が満期釈放者よりも低い傾向が一貫して続いており,平成8年は,前者が25.8%,後者が46.1%となっている(矯正統計年報による。)。