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 平成 9年版 犯罪白書 第1編/第3章/第1節/2 

2 刑法犯罪名別構成比の推移

 刑法犯の各罪種別の動向については,本章第2節以下で述べるので,ここでは,交通関係業過を除く刑法犯の認知件数について,罪名別構成比の推移を見ることとする。
 I-1表は,昭和21年以降の交通関係業過を除く刑法犯認知件数の罪名別構成比を10年ごとに上位5位まで示したものである。

I-1表 交通関係業過を除く刑法犯認知件数の罪名順位

 窃盗は,戦後一貫して1位を占めている。昭和21年には83.5%を占めており,31年,41年には70%台に低下したが,61年,平成8年には87%以上の高い比率となっている。
 詐欺は,昭和21年以降2位を占めていたが,平成8年には3位にあり,横領は,昭和21年以降41年を除いて,3位から5位の間を占め,平成8年には2位である。また,傷害は,昭和21年を除いて,3位ないし4位を占めている。
 なお,昭和21年については,賭博・富くじ及び盗品譲受け等がそれぞれ4位及び5位を占めている。
 このように,終戦直後の昭和21年を除いては,ほぼ7割ないし8割を占める窃盗と,残りは,多少の順位の変動はあるものの,詐欺,横領,傷害,暴行,恐喝が5位までを占めるというのが,交通関係業過を除く刑法犯認知件数の罪名別構成比から見た動向である。