連合王国(ただし,資料の関係上,イングランド及びウェールズに限る。
以下,本節においては「イギリス」という。)における,1970年,1975年,1980年,1985年及び1990年から1994年までの間について,殺人(homicide)及び強盗(robbery)事犯の認知件数及び発生率を示したものがIII-77表である。
III-77表 殺人及び強盗の認知件数・発生率
凶悪犯罪の発生率はいずれも上昇傾向にあり,特に強盗事犯の発生率は,1970年と比較すると,1994年は約9倍の増加となっている。強盗の中でも特に路上強盗事犯(mugging)について,最近,若い女性の間に不安感が増しているとの報告がある(1994 British Crime Surveyによる。)。
凶悪犯罪の検挙件数に占める,銃器使用事犯の状況を見ると,III-78表のとおりである。1994年は前年と比べそれぞれ減少した。
銃器使用強盗事犯の発生場所を見ると,ビル,銀行等での発生が減少しているのに対し,公道上における強盗が増加している(Criminal statistics Englandand Walesによる。)。
III-78表 殺人及び強盗において銃器が用いられた比率 イギリス(1990年〜1994年)
III-79表は,凶悪犯罪の検挙件数,検挙率を示したものである。
III-79表 殺人及び強盗の検挙件数・検挙率