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 平成 8年版 犯罪白書 第3編/第9章 

第9章 諸外国における凶悪犯罪の現状

 本章では,入手し得た公的資料の範囲内において,アメリカ,連合王国,ドイツ,フランス及び韓国に関して,「殺人及び強盗の発生状況」,「加害者と被害者」,「科刑状況等」及び「犯罪及び被害者対策」について概観する。
 各国の刑事司法制度はそれぞれ異なり,また,各国における統計の取り方にも差違があり,収集できた資料も,その質及び量について均等ではないため,これらをもって我が国の状況と諸外国のそれとを正確に比較することは困難ではある。一例を挙げれば,少年年齢について,各国間で法律上の差違や統計上の年齢区分の差違があり,統一的な基準により比較することは極めて困難であるが,各国の動向をほぼ同じ視野から概括的に把握するため,欧米諸国については,あえて18歳未満を少年とした。こうした幾多の困難はあるものの,諸外国の凶悪犯罪の概要を知ることは,我が国における今後の凶悪犯罪への対策を考える上でなお意義があるものと考える。