前の項目 次の項目 目次 図表目次 年版選択 | |
|
1 受理状況の推移等 (1) 総 数
検察庁における昭和24年以降の新規受理人員の推移を,殺人・強盗(強盗致死傷及び強盗強姦を除く。以下,本章において同じ。)及び強盗致傷等(強盗致死傷及び強盗強姦をいう。以下,本章において同じ。)について見たのがIII-5図である。 殺人については,平成元年以降の4年間は1,600人台から1,900人台を続けたものの,5年及び6年には2,200人台に増加した。7年の新規受理人員は前年より39人(1.8%)減少して2,172人となっている。 III-5図 凶悪事犯の検察庁新規受理人員の推移(昭和24年〜平成7年) なお,昭和37年及び63年など,非常に多い受理人員数を記録した年は,検察庁に対する告訴・告発の件数が多かったことによるもので,例えば,63年には同一受刑者が多数の矯正職員を殺人未遂で告訴・告発している。強盗については,平成元年に813人の最低値を記録したが,その後には増加傾向に転じ,6年には1,289人となり,7年の新規受理人員は前年より167人(13.0%),減少して1,122人となっている。 強盗致傷等については,平成元年には953人の最低値を記録したが,2年に増加傾向に転じ,6年には1,683人を記録し,7年の新規受理人員は前年より230人(13.7%)減少して1,453人となっている。 (2) 少 年 検察庁における昭和25年以降の少年についての新規受理人員(家庭裁判所から送致を受けたものを含まない。)の推移を見ると,殺人は,多少の起伏を示しつつも,長期的には減少傾向を示し,26年には425人を記録していたものが,55年には最低値の48人を記録した。しかし,その後は増加傾向に転じ,平成6年には77人となったものの,7年は前年より7人(9.1%)減少して70人となっている。 強盗については,昭和25年は2,044人を記録したのが,その後,多少の起伏はあるものの減少傾向を示し,平成2年に191人と最低値を記録した。しかし,その後には増加傾向に転じ,6年には324人となったものの,7年は前年より79人(24.4%)減少して245人となっている。 強盗致傷等についそは,昭和20年代後半から30年代前半にかけて増加傾向を示し,35年に1,089人のピークを記録したものの,その後は減少傾向に転じて52年に271人の最低値を記録した。しかし,その後,若干の起伏を示しつつも漸増傾向を示し,平成6年には769人となったものの,7年は前年より123人(16.0%)減少して646人となっている。 III-9表は,最近10年間の少年による凶悪事犯の受理人員を罪名別,受理態様別及び年齢層別に見たものである。 III-9表 凶悪事犯犯罪少年の受理態様別・年齢層別検察庁受理人員(昭和61年〜平成7年) 家庭裁判所が検察官に送致したいわゆる逆送事件についての受理人員は,殺人はおおむね10人台で推移しているが,強盗及び強盗致傷等は一けたから30人台の低い数値ながらも年次による増減がある。なお,おおよその逆送状況を知るため,平成7年における,新規受理人員に対する家庭裁判所からの逆送による受理人員の比率を算出すると,殺人は15.7%であるが,強盗致傷等は5.3%,強盗は0.8%である。 (3) 外国人 III-10表は,来日外国人(第2編第2章第1節5参照)の凶悪犯罪に係る新規受理人員数を最近3年間について見たものである。 平成7年について,前年と比較すると,殺人は26.7%減少しているが,強盗致傷等は25.7%増加している。 III-10表 来日外国人による凶悪事犯の検察庁新規受理人員(平成5年〜7年) |