(1)　一日平均収容人員の推移等
　II-25図は，昭和21年以降の行刑施設の一日平均収容人員の推移を見たものである。一日平均収容人員は，62年以降減少傾向にあったが，平成5年から増加に転じ，7年は前年と比べ962人増加して4万6,535人となっている(巻末資料II-10参照)。

II-25図　行刑施設一日平均収容人員の推移(昭和21年〜平成7年)

　II-16表は，最近3年間における受刑者の人出所事由別人員を見たものである。

II-16表　受刑者の人出所事由別人員(平成5年〜7年)

(2)　新受刑者数の推移
　新受刑者数は，昭和23年には，戦後の社会的混乱を反映して，7万727人と最高を記録したが，その後は漸次減少し，49年には2万5,728人となった。
　50年以降は再び漸増の傾向に転じ，59年には3万2,060人となったものの，60年以降は減少傾向を示し，平成4年には2万864人となり，戦後最低となった。しかし，5年以降は増加に転じ，7年は2万1,838人で，前年と比べ572人(2.7％)の増加となっている(矯正統計年報による。)。
(3)　新受刑者の特性
ア　年　　齢
　II-26図は，平成7年の新受刑者について男女・年齢層別構成比を見たものである。

II-26図　新受刑者の男女・年齢層別構成比(平成7年)

イ　罪　　名
　平成7年における新受刑者の罪名のうち，構成比の高いものを男女別にそれぞれ上位5位まで見ると，男子では，[1]窃盗(28.6％)，[2]覚せい剤取締法違反，(27.0％)，[3]詐欺(6.4％)，[4]道路交通法違反(5.9％)，[5]傷害(5.5％)の順であり，女子では，[1]覚せい剤取締法違反(51.5％)，[2]窃盗(18.5％)，[3]詐欺(7.6％)，[4]殺人(5.7％)，[5]放火(3.3％)の順である(巻末資料II-11参照)。
ウ　刑名及び刑期
　平成7年における新受刑者の刑の種類について見ると，99.15％(2万1,653人)は懲役であり，次いで，禁錮0.72％(157人)，拘留0.10％(22人)，死刑0.03％(　6人)である。II-27図は，平成7年の懲役刑新受刑者の刑期別構成比を示したものである。

II-27図　懲役新受刑者の刑期別構成比(平成7年)

エ　初入受刑者の執行猶予歴及び保護処分歴
　II-28図は，平成7年における新受刑者中の初人者(裁判の確定により初めて行刑施設に入所した者をいう。7年は8,716人である。)の執行猶予歴及び保護処分歴の内訳を見たものである。

II-28図　初入受刑者の執行猶予歴・保護処分歴(平成7年)

オ　入所度数
　平成7年の新受刑者のうち，今回の受刑を含め，行刑施設への入所度数が2度以上に及ぶ者の比率は男子は61.0％，女子は40.1％，総数では60.1％となっている。
(4)　再入状況
　平成2年における出所者について，7年末までの再入状況を出所事由別に構成比で見ると，II-17表のとおりである。満期釈放者の方が仮釈放者よりも早い時期に再犯に陥る傾向が見られる。

II-17表　平成2年出所者の再入率