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1 銃器犯罪の現状 (1) 発生状況
最近,けん銃を用いた凶悪な犯罪が目立ち,その対象も,政治家やマスコミ,企業等の要人のみならず,一般民間人を巻き込むものが多くなってきた。警察庁生活安全局の資料によれば,平成7年における銃器(ここでは,けん銃,小銃,機関銃,砲,猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃をいうものとする。)の発砲回数は,前年の249回を81回(32.5%)下回る168回となり,銃器発砲事件による死者数も,I-2表のとおり,前年と比べやや減少したものの,死傷者数に占める一般人の被害者(巻き添えによるものを含む。)の比率は前年の32.8%(22人)から44.8%(30人)に高まるなど,銃器犯罪の拡散と凶悪化がうかがわれる。 I-2表 銃器発砲事件における死者数 (2) 検挙状況過去5年間における,けん銃に係る銃刀法違反検挙人員を違反態様別に見ると,総検挙人員は,平成5年以降増加傾向にあり,その大半がけん銃の不法所持によるものである(巻末資料I-10参照)。 I-28図は,最近5年間における,銃器使用犯罪の検挙件数及びそのうちでけん銃が使用されたものの件数を,暴力団勢力(暴力団の構成員及び準構成員)によるものとそれ以外によるものとに区別して見たものである。銃器使用犯罪の検挙件数に占める,暴力団勢力以外によるものの比率は,徐々に増加しており,平成3年では検挙件数の19.4%であったが,7年には28.8%となっている。 I-28図 銃器使用犯罪検挙件数及びそのうちけん銃が使用された件数の推移 (3) けん銃の押収状況I-29図は,最近5年間における,押収けん銃丁数を,暴力団から押収したものと,それ以外の者から押収したものとに分けて,見たものである。押収けん銃丁数は徐々に増加している。平成7年の,押収けん銃総数(1,880丁)に占める真正けん銃の比率は,90.5%である。 平成7年に押収された真正けん銃について,これを製造国別に見ると,アメリカが最も多く,591丁(34.7%)で,次いで中国304丁(17.9%),フィリピン169丁(9.9%)の順となっている(警察庁生活安全局の資料による。)。また,7年において,けん銃の密輸入事件で検挙された人員は,前年の3倍強の19人,押収されたけん銃は,9丁となっている(警察庁生活安全局の資料による。)。 I-29図 けん銃押収丁数の推移 |