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 平成 7年版 犯罪白書 第4編/第8章/第4節/3 

3 まとめ

 以上,本調査と前回調査との比較を要約すると,
 [1] 判決内容では,裁量的に保護観察に付される者や刑期の長い者の比率が上昇していること
 [2] 保護観察開始時における身上特性では,女子と若年層の各比率が上昇し,被雇用者の比率が低下し,「その他の無職者」の比率が上昇していること
 [3] 事犯の態様では,覚せい剤の自己使用と所持の各比率が上昇し,譲渡しの比率が低下していること
 [4] 保護観察開始時における生活状況では,単身居住者の比率が上昇し,配偶者と同居している者の比率が低下していること
 などが指摘されよう。もとよりこうしたことが,覚せい剤事犯一般の変化を反映しているのか,裁判所において保護観察に付する選択の変化を反映しているのか,本調査の範囲で明確にすることは困難である。
 今後,こうした対象者の特性の変化に対応した,前述の類型別処遇における処遇指針の更なる具体化とその効果的な実施が期待されているところである。