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 平成 7年版 犯罪白書 第4編/第5章/第4節/1 

第4節 刑事処分に関する特別調査結果

1 特別調査の概要

 法務総合研究所では,最近における薬物犯罪の実情,犯罪者の属性,科刑状況等を把握するため,薬物犯罪に関干る特別調査を実施した。
 この調査は,平成元年1月1日から6年6月30日までの間に,全国の地方裁判所及びその支部において,薬物四法違反により有罪判決の言渡しがされた事件の被告人を対象として行ったものであるが,調査・分析の便宜上,同一の判決において二つ以上の法律に違反する事実が認定されているものは除外した。ただし,薬物四法中のいずれか一つの法律違反事実と関税法違反事実が併せて認定されているものだけは対象に含めた。また,覚せい剤取締法違反事件については,営利目的による罪以外の罪に係る事件にあっては,取扱い覚せい剤量が1g未満であるものは調査対象から除外したため,主として使用事犯のかなりの部分が調査対象から外れていることになる。
 したがって,本調査における各年次の調査対象人員は,司法統計年報による通常第一審の終局処理人員とは必ずしも一致しない。
 調査対象者は,覚せい剤取締法違反事件(以下,本節において「覚せい剤事件」という。)で7,702人,麻薬取締法違反事件(同じく「麻薬事件」という。)で519人,大麻取締法違反事件(同じく「大麻事件」という。)で3,489人,あへん法違反事件(同じく「あへん事件」という。)で34人の合計1万1,744人である。
 なお,調査対象者が判決において複数の態様の罪を認定されている場合であっても,その中の最も重い態様の罪又は原因と認められる罪だけを犯したものとして集計した。
 以下,主要な調査項目について,調査結果の概要を記述する。