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 平成 7年版 犯罪白書 第3編/第6章/第4節/1 

第4節 銃器犯罪

1 銃器犯罪の現状

(1) 発生状況
 最近,政治家,マスコミ,企業及びその役員等に対する,けん銃を用いた凶悪な犯罪が目立つ。警察庁生活安全局の資料によれば,銃器(ここでは,けん銃,小銃,機関銃,砲,猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃をいうものとする。)の発砲回数も平成5年から増加に転じ,6年には249回と,前年を16回上回った。

III-31表 銃器発砲事件における死者数(平成2年〜6年)

 III-31表は,最近5年間の,銃器発砲事件における死者数を見たものである。平成6年には,前年を8人上回る,38人の死者が出た。
(2) 検挙状況
 III-43図は,最近5年間における,銃器使用犯罪の検挙件数及びそのうちでけん銃が使用されたものの件数を,暴力団勢力によるものとそれ以外によるものとに区別して見たものである。

III-43図 銃器使用犯罪検挙件数及びそのうちでけん銃が使用された件数の推移(平成2年〜6年)

 銃器使用犯罪の検挙件数に占める,暴力団勢力(暴力団の構成員及び準構成員)以外によるものの比率は,徐々に増加しており,平成2年では検挙件数の13.5%であったが,6年には26.4%となっている。
 平成6年における銃器使用犯罪の検挙件数のうち,けん銃が使用されたものの比率は,82.4%(暴力団勢力96.6%・暴力団勢力以外42.9%)である。
(3) けん銃の押収状況
 III-44図は,最近5年間における,押収けん銃丁数を,暴力団から押収したものと,それ以外の者から押収したものとに分けて,見たものである。押収けん銃丁数は徐々に増加している。
 平成6年の,押収けん銃総数(1,747丁)に占める真正けん銃の比率は,86.6%である。
 警察庁生活安全局の資料によれば,平成6年に押収された真正けん銃について,その製造国をみると,アメリカが最も多く,489丁(32.3%)で,次いで中国が311丁(20.6%),フィリピンが140丁(9.3%)の順となっている。
 警察庁生活安全局の資料によれば,平成6年において,密輸入事件で押収されたけん銃丁数の,押収けん銃総数に占める比率は,3.7%(64丁)である。

III-44図 けん銃押収丁数の推移(平成2年〜6年)