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 平成 7年版 犯罪白書 第3編/第5章/第3節/1 

第3節 矯正・更生保護

1 矯  正

 矯正統計年報によれば,交通犯罪新受刑者のうち,業過受刑者は,昭和46年に4,764人の最高を記録して以来減少傾向が続き,平成6年には711人(懲役561人・禁錮150人)となっている。これに対して,道路交通法違反受刑者は,昭和53年に業過受刑者を追い抜き,56年に2,419人に達した。その後,業過受刑者と同様に減少し,平成6年には1,275人(懲役のみ)となっている。刑期については,III-24表のとおり,業過受刑者のうち,1年を超える比較的長期のものの比率が近年高くなっている。
 交通犯罪新受刑者のうち,約半数は,市原刑務所等全国8か所の指定施設に収容されている。これらの刑務所に収容された交通犯罪新受刑者は,開放的処遇が適当と判定された成人の受刑者で,[1]交通事犯以外の犯罪による懲役刑を併有しないこと,[2]交通事犯以外の犯罪による受刑歴がないこと,[3]刑期がおおむね3月以上であること,及び[4]心身に著しい障害がないことの諸条件を満たすものであるところから,居室,食堂,工場等は原則として施錠されておらず,行刑区域内では戒護者も付けず,面会もなるべく立会者を置かずに行われている。

III-24表 交通犯罪新受刑者の罪名・刑期別人員(昭和60年〜平成6年)