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 平成 7年版 犯罪白書 第3編/第4章/第1節/2 

2 不法残留の状況

 法務省入国管理局の資料によると,平成6年には,単純な不法就労意図による入管法違反者は減少したものの,より巧妙な方法による不法入国事案や長期にわたり不法残留する者が増加するなど悪質化の傾向がうかがわれる。
 III-25図は,我が国に在留する外国人のうち,不法残留者数(推計値)の推移を見たものである。

III-25図 不法残留者数(推計値)の推移(平成2年〜6年)

 不法残留者数は平成6年11月1日現在約28万8,000人であり,このところ29万人前後で推移しているが,5年5月1日以降は減少傾向にある。国籍別に見ると,タイが約4万7,000人で最も多く,次いで,韓国が約4万5,000人,中国が約4万人,フィリピンが約3万8,000人,イランが約1万8,000人,マレイシアが約1万7,000人,ペルーが約1万4,000人で,以下,台湾,バングラデシュ,パキスタン,ミャンマーが続き,これら10か国・1地域で全体の約85.9%を占めている。
 また,これを男女別に見ると,男子は約17万3,000人(約60.1%)であり,女子は約11万6,000人である。