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 平成 7年版 犯罪白書 第1編/第1章/第3節/1 

1 少年刑法犯

 戦後の少年非行の推移は,昭和26年,39年,58年をピークとする三つの波に分けて概観することができるが,これは刑法犯全体について見たものであり,30年代以降の増加は,交通関係業過の増加によるものが大きいので,以下,交通関係業過を除く少年の刑法犯検挙人員について見ることとする(巻末資料I-7表参照)。
 I-18図は,昭和41年以降の交通関係業過を除く刑法犯の少年・成人別検挙人員及び少年比(成人及び触法少年を含む全検挙人員中に占める少年刑法犯検挙人員の比率)の推移を,I-19図は,少年について,年齢層別検挙人員の推移を,それぞれ示したものである(巻末資料I-8表参照)。

I-18図 交通関係業過を除く刑法犯の少年・成人別検挙人員及び少年比の推移(昭和41年〜平成6年)

I-19図 交通関係業過を除く少年刑法犯の年齢層別検挙人員の推移(昭和48年〜平成6年)

 平成6年の交通関係業過を除く少年刑法犯検挙人員の罪名別構成比を見ると,I-20図のとおりで,窃盗が66.1%(10万2,537人)と大多数を占めている。横領は19.1%を占めるが,その99.9%は遺失物等横領で,大部分は放置自転車の乗り逃げである。年齢層別・罪名別検挙人員の構成比で見ると,どの年齢層においても窃盗の占める比率が最も高いが,中でも触法少年の場合は78.6%と最も高い。他方,殺人,強盗等は,年長少年における比率が高くなっている(巻末資料I-9表参照)。

I-20図 交通関係業過を除く少年刑法犯検挙人員の罪名別構成比(平成6年)