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3 外国人受刑者処遇の現状 IV-50図は,1985年から1994年までの各1月1日現在の,行刑施設における外国人被収容者の総数に占める比率を見たものである。外国人被収容者の比率は,緩やかに上昇し,1993年には31.4%とピークに達した後,1994年には前年より0.5ポイント低下し30.9%となっている。行刑施設における被収容者は,1994年には,1985年と比べ,総数では17.0%増加したのに対して,外国人被収容者では34.0%と大幅な増加となっている。
IV-50図 行刑施設における外国人被収容者の比率の推移 1994年1月1日現在における外国人被収容者1万5,519人の国籍を見ると,アルジェリアが29.2%で最も多く,以下,モロッコ17.2%,テュニジア7.4%,ポルトガル3.8%,イタリア3.2%などの順となっている。1992年1月1日に在監していた外国人被収容者について罪種を見ると,外国人取締法19条の不法入国・不法滞在の罪が24.8%を占めているが,その他については不明である。 外国人被収容者は,刑事訴訟法典に基づき処遇されている。一般原則については,仮釈放の場合を除き,外国人被収容者は,同じ刑のカテゴリーに属するフランス人被収容者と同じ扱いを受ける。ただし,「構外作業」,「半自由」及び「外出許可」の措置を適用するときには,特別の考慮を払うこととなっている(同法典D-505条)。 面会では,被収容者及び面会人は,フランス語を使用しなければならない。フランス語を使用しない場合には,施設側は,使用する外国語の会話を理解することのできる職員を確保して立会させなければならない。そのような職員を確保できないときは,会話が外国語で行われることがあらかじめ許可されている場合にのみ面会が認められる(同法典D-407条)。外国人被収容者は,このような管理上の条件を満たしたとき,自国の使用言語により面会を行うことができる(同法典D-506条)。 被収容者の通信は,被告人と弁護人との間の通信,施設の聖職者との通信及び司法省のソーシャルワーカーとの通信を除き,管理のため検閲することができる(同法典D-416条)。外国語で書かれた手紙は,同条の規定の目的を達するため,翻訳することができる(同法典D-418条)。 通訳人については,被収容者がフランス語を話さないか理解できない場合,又はその場に翻訳ができる者がいない場合には,必要不可欠なときに限り,通訳人を要請することができる(同法典D-506条)。 外国政府からの引渡し請求に基づいて勾留(引致)された被収容者については,被告人の扱いを受けることとなっている。ただし,面会の許可及び通信の検閲については,控訴院重罪公訴部(chambre d'accusation)の決定及びそれに続く司法大臣の決定があるまで,検事長の権限に属する(同法典D-507条)。 |